 | 鶏肉倶楽部 中村明日美子 F×COMICS 2002-06 ★★★★★☆☆ |
「同級生」が気に入ったので、次に「Jの総て」を読みました。見事にハマりました。
「同級生」読んだ時もこんなに面白いなら迷わずさっさと購入しとくんだった〜と思ったけど、「Jの総て」はこんな作品があったなんて!と今まで知らずにいたことが悔しくなってしまったほどでした。でもそれ以上にめぐり合うことが出来て嬉しい。
幼い頃からカレンズバーグでの寮生活、その後のニューヨーク編と、Jという人物の成長期の頃?が描かれていました。全3巻とページ数から見ると短めな感じがするのですが、中身は大変濃く、読み終わった時にものすごい充実感が得られます。めまぐるしく変化する彼の人生は、前の出来事を忘れる間もなく次々と衝撃的な事件が発生してしまう、まさに息もつかせぬ展開です。読み始めると先が気になり、続きはまた明日〜など出来ずに最後まで一気に読むしかなくなります。
カレンズバーグでポールと出会った頃など、1巻の頃のJはとても強気でそれが魅力的でした。ですが、彼に身に起きた事件の積み重ねが、彼をだんだんと弱くしてしまう。すぐに気を失ってしまう彼は、彼の美貌も相乗効果でそれはそれで大変魅力的でした。ですが、ポールのことを想うがゆえに臆病になっていく彼はとても痛々しく、見ていて胸が締め付けられるようでした。だからこそでしょう。クライマックスでの告白シーンがすごく好き。Jとポール、両者の思いで胸が熱くなって、知らず涙がこぼれていました。
ポール始め、周囲の人々も翻弄されていますが、物語の登場人物だけでなく読み手もJに翻弄され、読み終わった後も虜になって離れられない感じです。
また、前日譚である「ばら色の頬のころ」は、Jのお相手であるポールと、ポールに何かとつっかかってきていたモーガンの出会い編。
「Jの総て」で劣等生なモーガンでしたが、ばら色〜の頃はまあなんと可愛らしいこと!J〜の頃でもヒゲ生やしてても刑務所でもボス的な存在でも、汚いよりはむしろ綺麗な顔だよなぁとは思ってたのですが。そして、ポールの捻くれた感じも大変素晴らしく好みでした。
後にポールはJと出会うってわかっていても、ポールとモーガンの若かりし頃にドキドキ。とにかく、モーガンのポールに対しての純情っぷりに興奮しました。
また、このお話で二人の背景がより深く知ることが出来たので、これを読んだ後に「Jの総て」を読みなおしたら、前もさらに話しに入り込んで読めました。
それにしてもかきおろし。モーガンのさらさらストレートヘアにドキッ・・・ではなくて。
ポールのひとことには本当に「はぁ!?」って心境になりましたよ。どうみてもそりゃアンタのほうだろうってモーガンでなくても思います。あぁ、しかししかし。私は大人になったポールがとっても好みなので、こいつ・・・っと思いながら可愛くて仕方なくもあるのでした。
思ったのですが、どうも私は明日美子さんの描く人たちの照れた顔に弱いようです。
 | 二の姫の物語 和泉かねよし フラワーコミックス 2006-04-26 ★★★★★☆☆☆ |
絵が綺麗で着物姿の人物達が違和感なくしっくりときてたし、短いながらもしっかり纏まっていて、とても面白かったです。お話的には定番で目新しいと思うものはありませんでしたが、愚図姫と言われ続けた姫がここ一番という場面で毅然と兵達を指揮したクライマックスでは、彼女がとても凛々しく映り、青推との出会った頃からのことを思い出してじーんときました。
同時収録の2作は、そこそこは面白かったと思いますが、表題作の面白さで印象が薄いです。表題作のような時代モノをもっと読んでみたいなぁと思いました。できればもう少し長めで。
父親の開発した変な薬のせいで、ドキドキすると男に変身しちゃう身体に〜と、興味惹かれる私の好きそうな設定でした。しかし4冊は長い気がしました。私は2巻くらいでいいかなと。変身仲間の中ではほづみくんが愉快で一番気に入りました。
新たな不思議能力人間の登場で、キャラが増えてきましたね。徐々に出てきたシウの謎がやはり気になります。でも、精神的にあやうい感じのシーンがあったかと思えば、テントをジュリエット型にしてご満悦だったりしてて可笑しいよね。
双子の周囲の人達ばかりがクローズアップされた巻だったので、双子の不思議関係について特に動きがなくて少々物足りなさが残りました。
それにしてもジュリエットは和みますね。乙女日記も好き。
笑えると聞いたので、店頭で見かけたら〜と思っていたのですが、見かけることがなく月日が経ちました。結局ネット書店で他のと一緒に購入。
すっごいおおまかなあらすじを聞いたときに想像してたのとは少々違いましたが、なかなか個性的なコメディでした。佐藤君がもっと普通の人かと思ってたんです。性格はおいといて、あんなにしっかり能力があったとは。どう考えても日常じゃありませんて(笑)学校中心だったけど、パパさんのいるお屋敷での生活がもうちょっと覗いてみたいかな。あと、魔界に来る前のお母様との日常で番外1話くらい読んでみたい。
話としては遠足ネタが印象に残ってます。絶対キノコに行くと想像できるんだけど、どういう展開とオチにするんだろうって一番ワクワクした気がする。
 | 山へ行く 萩尾望都 flowersコミックス 2007-06-26 ★★★★★☆ |
何作か同じ家族が出てたりしましたが、シリーズといっても登場人物や世界が繋がっているというわけではないんですね。短編集って感じがしました。バルバラ以来、久々に読みましたが、この著者の作品はどれも読むと不可思議な感覚に囚われますね。その世界を理解はできないんだけど、この独特な感覚は著者ならではの味わいで、たまに味わうのもいいよなぁと思います。でも次々と見せられると悪酔いしそうなので、個人的には長編の方が好きかなぁ。でも長編だとその世界にずるずる引きずり込まれそうな気もするし・・・。
 | 燕雀庵夜咄 波津彬子 白泉社文庫 1999-12
★★★★★☆ |
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絵が明治・大正あたりの時代に合っていて、作品の雰囲気が素敵だなと思いました。とはいえ自分が詳しくないので(苦笑)どっぷりと浸るまではいけないのですが。
表題作のシリーズは、芳村という男が係わった不思議体験のお話という感じでしょうか。結構、霊的な要素が入っていて、人間の情の強さに怖さを感じるようなお話で。でもただ怖いってのではなくて、読み終わった時はやり切れなさ悲しさ切なさが残るものばかりで、余韻も味わえるお話だったと思います。
しかしあの芳村さんという人はどういう人なのか謎です。一体何をしてる人なのでしょう。仕事が速い。けど堅い人間って感じじゃなくてフラフラしてる印象なんですよね。
シリーズ以外では。「牡丹灯籠」は話の結末は分かってるのに、読んでて執念深さにゾッとしてしまいました。淡白な印象もある画面から妖しさや怖さが伝わってくるのが、派手に恐さを強調してるのよりもより底から這い上がってくる感じがあるんですよね〜。
著者は出身地が同じ県なので以前から気になっていました。でも私にはとっつき難いかもと思ってたんですが、その割にはすぐ読めたし面白かったので、他作品にも興味が湧いてきました。
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最終巻ですね。文観との対決の決着がこの巻でつきましたが、この事件の盛り上がりは個人的には前の巻だったような気がしました。直接対決よりもその前の思惑の数々や次第に不利になっていく有匡のあせり具合とかの方がドキドキワクワク出来たんですよ。この巻ではその後の締め的な感じで。そんな風に思ってしまったからか前の巻から日が経ってしまったせいか、クライマックスで皆がどうなるかというドキドキよりも、終わりに向けて収拾する説明っぽさを感じてしまったという感じ。ずっと気になってた両性体の火月の身体のこととかだってあったのに〜。
これで最終巻だって思って緊張と意気込みを持って読み始めたのでちょっと残念でした。でも、文観と神官の関係については結構好き。あの展開については気に入りましたね。
これで最終巻だけど、番外編がこれから雑誌掲載されるんですよね。誰のどんなお話が読めるのかな〜。
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原作小説が好きなのです。好きだから漫画化されたの読んだらきっと不満タラタラになりそうだと思ってました。でもやはり好きなので無視できず。しかし読んでみたら意外に結構大丈夫でした。昔に比べたら、拘り続けても虚しいよな、という気持ちも持つようになってたからかもしれませんが。
漫画担当の加藤さん自身、以前から原作小説が好きだったということで、大切に描いてくれてるなぁと読んでて感じられたのがよかった。ドウマが一番違和感あったりと、登場人物については自分の中のイメージとの違いは確かにあります。全体的に少女漫画ちっく&軽い印象がするなぁとかも思います。でも作者なりに頑張って丁寧に描かれてると思えたので好印象です。アークについては完全に脳内補完しているようです。また違った衣装や表情で見てみるのも新鮮だよねという心境。
ただ、せっかく丁寧に描かれているのに、展開がはやい。ページや連載回数の都合だと思うのですが、なんだか勿体ない感じがしました。原作知ってるから少々抜けたところがあっても展開にはついていけるんですけどね。間や余韻とかも欲しいじゃないですか。
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デコトラの夜 (1) 山田睦月 /作・菅野彰 ウィングスコミックス 2006-04
★★★★★☆☆☆☆ |
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これまでの山田さん&菅野さんコンビの作品は女性の印象が強かったので、男二人ってのが珍しい感じがしました。それと私、最初タイトル見た時、デコトラが分からなかったんですよね(苦笑)
そんで読み始めたら、タイヨーの行動が突拍子もなかったりして、これは今年出た文庫と同じ系統なのでは・・・と警戒してしまいました。でも読み進んでいったら文庫で感じたような気分にはならなくて、どんどん話に引き込まれていってました。
タイヨーと祐一という二人は、見ため的にはなんでこんな組み合わせでいるのかしら?って感じ。そんな環境や性格の違っている者同士が偶然の遭遇ですることになった逃避行で、相手がかけがえのない存在になっていって。オビに「ロード・コメディ」とありますが、確かにコメディなんだけど、それ以上に心にくるものがありました。ふつーそんなことないでしょって展開があるけど、そういうとこをちゃんと笑いで見せてくれてコメディとして楽しませてくれるし、シリアスもしっかり感じさせてくれている。山田さんの描くハナと七千子ちゃんの笑顔が本当に満面の笑顔で幸せそうに見えて、それを先に見せられたうえで語られるタイヨーの過去にはすごく切ない気持ちになりました。
2巻では旅の後も描かれているのですが、そこに登場してくる祐一の奥さんの美晴さん。好きです。それまでは逃避行の旅で、どこか現実離れした感覚がやっぱりあった。だけど、美晴さんの登場で現実に戻ってきたという感じがしました。七千子ちゃんのことを知った時に美晴さんが思ったこと、その前に思っていたことって私も同じだった。いつもニュースを見るたびになんてバカな行動してるんだろうって思ってしまう。でも、知らなかったら許されるって問題じゃないから複雑な心境。
やっと生き始めた祐一は、旅で変わったからといって活発になったわけでも奥さんと仲良くなったわけでもなくて。人間そうそう変われるものじゃないよね。でも二人が出会う前との違いは確実にある。タイヨーと祐一のこれからの付き合いはどんな風になっていくのかな。なんだかんだ言いつつも、祐一は子どもも生まれて着実に家族が出来てきている。そこにタイヨーの居場所はあっても、やっぱりタイヨーは一人でいるんだなぁって強く感じてしまう。過去の傷が癒えることはなくても、それでもタイヨーにも寄り添っていく人が見つかってくれればいいなぁ。
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 | 青いドライヴ 橋本みつる ウィングスコミックス 2006-05
★★★★★☆☆ |
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久々に読んだ橋本さんの漫画でした。「青いドライブ」「苺の夢」「流星」の3作。
橋本さんの漫画って青春ってものをすごく感じさせてくれるというか。いつまでも忘れないでいたい気持ちを感じさせてくれる存在な気がします。
それと、現代の学生が主人公なんだけど、現代だけども独特な不思議世界が展開してて、その表現方法にいつも魅せられています。不思議な感覚にとらわれるんだけど、でもそれが主人公の気持ちがビシバシ伝わってくる要素になってるのですよ。
特に表題作には胸がぎゅーっとなっちゃいました。鳩が3年前に死んでしまった元カレ・青衣のことをずっと引きずっていて。そんな鳩の前に現れた中洲に好意を持ち始めているけども、その気持ちと青衣への想いとの間で揺れる気持ちがすごく感じられる。中洲を受け入れることで裏切ってしまう。絶対を信じたい、忘れたくない、変わりたくない・・・。死別した人への気持ちを引きずっている人を扱った漫画って結構あると思うのですが、死んだはずの彼とのドライブに出てしまうっていうのは変わってますよね。なのにそれが鳩の感じた不安や怖い気持ちなど色んな感情を的確に見せてくれている。もう赤裸々なくらいに。
ただ、私がもっと若かった頃に読んだらもっともっと感じることができたんじゃないかと思ってしまったのね。悲しいことに。ちょっといま現実的なものに気持ちがかなり支配されている状態だったもんで、もうちょっと落ち着いた頃に読んだ方が良かったかなぁとか。自分自身の問題なんだけど、もっともっとこの作品を感じられるような人間になりたいなぁと思った。また違う時期に読み返したいです。
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